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 ストーブに赤きほのほのチラ/\と燃えつゝあれば誘はるゝ心
 先丸き鉛筆をもてものかけば
   うたうたひたき心地こそすれ
 黄なるきれはぬいてあれば輝ける
   小針もつ指この上なくもよし
 縫ひてあればつね事なれど我指の
   爪小さきも今更の如

 一月三十日(金曜)晴 寒
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〔摘要〕学校出席、作文「鏡」
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 一月三十一日(土曜)晴 寒
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〔摘要〕学校出席
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〔雑録〕
 一月
 一月十二日、クラシックは或る程度まで中々なつかしいはなしにくいものだと思う。
 “「ねつかれない時に見る光りものと耳なりの響は馬鹿にして居ながらひょうげた可愛らしいものだ」
 人間の運命、又時と云う事がワイルドの一代記を見て思わされた悲しかった。奇麗な顔と奇麗な言葉と感じとを思ったワイルドもさみしいとこに死ななければならない運命をもって居た。はなやかであっただけ美くしかっただけそこに大口をあいてパックとやった死がよけいにおそろしい見にくい
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