う紐は、おらくの手にとられたのであった。
おらくは、息を切らせ、手を震わせながら、そのかなり長い妙なものを明らかに見た。それは、思わず彼女が、「ああ如来様、南無阿彌陀仏!」と叫んだほど、驚くべきものだった。お咲の下に着ている単衣の襟と、片方の袵《おくみ》が裂かれて、かたいかたい三組の繩によられていたのである。「ああすんでのことであった」彼女は何とも云えない安心に心を撫でられるように感じた。そして泣き伏している、娘の肩をやさしくだきながら、
「こんなことは、決して考えてはなりませんぞ。よくなるときには、だまっていても、如来様がなおして下さる。早まったことは、決しておしでないよ。ああほんに……」
とつぶやいて、頬に貼りついた、髪を掻き上げてやった。お咲の啜泣きに混って、孝之進の寝言が、高く聞えていた。
お咲の最初の試みは、かようにして失敗した。けれども、この失敗したということが、一層彼女の死に対する狂的な渇仰《かつごう》を燃え立たせたのである。
「死ねば何にも判らなくなる」
それだけが非常に彼女の、闘いつかれた心を誘惑したのであった。彼女は、一日中「どうしたら死ねるか?」ということを
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