「ヨをちぢめて飛ぶのよ」
「ピョンと?」
「そうだわ」
 盤をあけてみて、竹村は、
「なんだ、これゃダイアモンド・ゲームじゃないか」
 素子の顔をみた。
「そうさ」
「そうさ、もないもんだ。まあいいや、どうするんだって?」
 ルールを素子が説明し、伸子が赤、素子が黄、竹村が青のコマをもって、一めずつとびながら遊びはじめた。竹村のコマは一列だけとびはなれて前進し、素子の黄色陣地に迫った。
「どうだい、優勢だろう、この次は失敬して入城だよ」
「入城なもんか。あんたの陣に、そんなにぞっくりのこってるくせに。自分の陣からすっかり出きってからでなくちゃ、敵陣へは入れないんですよ」
「なあんだ! そんなことがあるんなら初めっからいっとくもんだよ、本当かな」
「あたりまえさ」
「そうですか?」
 竹村は伸子にきいた。
「そうやってるわ、いつも」
「じゃあまア、これでも進軍させようか」
 初めての竹村は、青いコマを盤の格子の上にいくつかのこして負けた。二度目に、竹村が、第一列のコマは、相手の陣の境界線の上まで行っていい筈だと主張した。
「そうじゃない、一本手前の線までさ」
「――これはダイアモンド・ゲ
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