なっている自分のこころの状態を思いしらされるようだった。
「じゃ、ぶこちゃんのは、あとのこととして――浅原さん、あなたは、ロシア語関係の連絡係になって下さい。たのみますよ」
素子が、蕗子にたのんだ。
「日本語の方のことは、河野さんにたのむから……ねえ、ぶこちゃん、その方がいいだろう。まだあなたの校正だって見て貰わなくちゃならないんだから……」
二三日おいて河野ウメ子に会い、三人で相談した結果、家の始末をつけたら、素子だけ先へ京都へゆき、あとから伸子が出かけてウメ子も京都で落ち会うことにきまった。京都には三人にとって共通な幾人かの友達がいた。それにウメ子の文学上の指導者である須田猶吉はそのころ奈良に住んでいた。
「丁度よござんすわ、奈良へもよれますし……」
とウメ子がいうのも本当だった。
京都で落ちあったら、ある女歌人のやっている地味[#「地味」に傍点]な宿にとまることにした。
「いいところですよ。鴨川のすぐそばで――座敷から流れが見える」
そこは、先へゆく素子が手はずしておくことになった。伸子はウメ子に最後の校正がのこっている小説のことをたのんだ。
「わたし下手でわるいんです
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