の、禅ぽいいいまわしでかかれていた。伸子は、おかしがって、
「どうです?」
ときいた。
「あらたかでしょう? よその占いなんか、とても足もとへもよれないでしょう」
「いや、全くこれはいいところを当てたですよ!」
 木下の言葉の真剣さに伸子はびっくりした。占いなんかをしてみる人の心もちにたいして、最大公約数のような、こんな常識が何か真面目な作用もするというのだろうか。伸子は、思いもかけないという顔になった。そして、
「なにが当ったの?」
ときいた。
「なにがって――ちょっと云いにくいが、ともかくね。いや、ありがとう。大いに得るところがある」
 ほんとうに、そうであるらしかった。この鼠色背広のひとには、ちょいとしたなにかのきっかけが入用だったのにちがいない。伸子はそう判断した。
「わたしの運勢はこれですけれど……元日にやったんだから、たしかよ。素晴らしいでしょう」
 それは、43という番号だった。勲章をつけて、からのおはち[#「おはち」に傍点]をかきまわす図。そう題があって、その題のとおりの絵がかかれていた。髭をつけ、鳥の飾毛のついた礼帽をかぶった大礼服の男が、板の間に膝をついておはちをか
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