、浅黒く、いかにも師範の女学生らしい簡素さである。動かない彼女たちの姿勢と表情のうちで、きつい黒い瞳ばかりがいちように好奇心をあらわして、伸子たち少数の日本婦人の上に注がれている。その席には、日本流の窮屈さがあり、またその上に古い中国の長幼の序とでもいう風な礼儀の窮屈さも加っているようであった。長テーブルの中央にはひとはちの盛花があって桃色のヒヤシンスが匂っていた。
 なんとなし手もちぶさたな時がすぎて、やがて日本側の主賓であるある評論家が入って来た。縞のズボンに黒い上衣をつけ、背の高いからだに、伸子が写真で見なれた顎のはった顔と、ぴったり真中からわけられた灰色っぽい髪がある。
「やあ、どうもおそくなりまして……よそからまわって来たもんですから……」
「いえ、どうぞこちらへ」
 その評論家は、長テーブルの上座にあけておかれた席にかけた。
 司会者であるその新聞の婦人欄の記者が立って、挨拶をした。新しい中国の教育のために活動しようとしている女性たちの希望ある前途を祝福する意味での小さい集りとして、話した。それを、黒背広をきた小柄な引率者の一人が中国の言葉にうつして女学生につたえた。女学生
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