に電報をうち、その人に出迎えられた伸子たちは、自然、秋山たちのいたホテル・パッサージの一室に落つくことになった。
伸子の心はモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]暮しの第一日から、ここにある昼間の生活にも夜の過しかたにも、親愛感と緊張とで惹《ひ》きつけられて行った。伸子の感受性はうちひらかれて、観るものごとに刺戟をうけずにられなかった。伸子は先ず自分の住んでいる小さな界隈を見きわめることから、一風かわった気力に溢れたモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]という都市の生活に近づいた。
クレムリンを中心として八方へ、幾本かの大通りが走っている。どれも歴史を辿れば数世紀の物語をもった旧い街すじだが、その一本、昔はトゥウェリの町への街道だった道が、今、トゥウェルスカヤとよばれる目貫きの通りだった。この大通りはクレムリンの城壁の外にある広い広場から遠く一直線にのびて、その途中では、一八一二年のナポレオンのモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]敗退記念門をとおりながら、モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]をとりかこむ最も見事な原始林公園・鷲の森の横を通っている。
こ
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