繧フ飾り鏡に、西日をうけて眩しいその室の白堊の欄間や天井の一部が映っていた。
レーニングラードのこの季節の日没と日の出は一つの見ものだった。対岸に真黒く突立っている三本の煙突の一本めと二本めとの間に沈んだ太陽は、十二三分の間をおいただけで、すぐまた、沈んだところからほんの僅か側へよった地点からのぼりはじめた。沈むときよりも、手間どるようにその太陽はのぼって来る。バルト海からの上げ潮でふくらみはじめたネ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]の水の重い鋼色の上を光が走った。河岸通りには、人通りが絶えている。こういう時間の眺めは憂愁にみち、また美しかった。伸子はレーニングラードという都会がそんなにも北の果ちかくあることや、地球の円さが日没と日の出とにそんなにはっきりあらわされる自然にうたれた。
レーニングラードは、ソヴェト同盟の首都でない。このことが、半年モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]でばかり生活しつづけて来た伸子と素子とに、レーニングラードへ来てみるまではわからなかったそこでの暮しの味わいを知らせた。
レーニングラード※[#二分ダーシ、1−3−92]ヴ・オ・ク・ス(対外
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