セけれど、それとてもモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]でどんな生活をやって行こうとしているのか、伸子たちはしらない。知らないなりに、内海厚の万端のものごしはあたりまえで、あたりまえにがたついていて、伸子たちに不審の心を抱かせる点がなかった。
「――まあ、どうせいろんな人間がいるんだろうさ、それはそれなりにあしらっとけばいいのさ。――何もわたしたちがわるいことしてやしまいし……」
「そりゃそうよ。もちろんそうだわ。誰だって、ここでわるいことなんてしようとしてやしないのに――ソヴェトの人たち自身だってもよ――なぜ……」
伸子はつまって言葉をきった。伸子も宮野という人を、暗い職業人だと断定してしまうことは憚られた。しばらく黙って歩きながら、やがて低い、不機嫌な声で続けた。
「――嗅《か》ぎまわるみたいなのさ!」
「そんなこと、むこうの勝手じゃないか。こっちのかまったこっちゃありゃしない」
伸子たちは、いつか並木道《ブリ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ール》が、アルバート広場で中断される地点まで来た。トゥウェルスカヤの大通りが並木道《ブリ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82
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