「る、ということなのだろうか。
 モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]夕刊社で広告を出す用事をすまし、トゥウェルスカヤの大通りへ出てホテルへ帰って来ながら、伸子は、そのことばかり考えつづけた。保がこれからはもっと伸子へ手紙を書きたいと思っているというだけならば、保の手紙にこもっている姉への感情からも、すらりとのみこめることだった。これまでも、もっと手紙をかきたいと思っている保の心もちが伝えられたのだとすると、伸子は、きょうの保からのたよりがハガキで来ていることにさえ、そこに作用している多計代の指図を推測しずにいられなかった。書いてある字のよめない人たちばかりの外国にいる姉へやるのだから、こんなに心もちをじかに語っているたよりも保はハガキで書いたのかもしれなかった。けれども、姉さんへ返事をかくならハガキにおし。そして、出すまえに見せるんですよ。そう保に向って云わない多計代ではなかった。
 伸子は、素子も出かけて留守の、しんとした昼間のホテルの室へかえって来た。二重窓のガラスに、真向いの鉄骨ばかりの大屋根ごしの日があたっていて、日が、角テーブルのはずれまであたっている。抱えて帰って
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