は彼女が、どんな性格、傾向であるか漠然とでも予測がつきましょう。
彼地のように、会合と云えば極特殊なものでない限り必ず男女ともに参集する処では、我国で、恐らく女同士、男同士あい、知人になるような気持で、知人は双方にいくらでも出来ます。けれども、互にその家庭に招き合ったり、一緒に一団となって饗宴に出たり郊外に遊んだりするようなのは決して誰とでも、と云うことではなく、異性の交際が自由であり普通である丈、相互に強い好き嫌い、選択が行われる訳なのです。
その選択は、これならばどう云う標準によって行われるかと云うことになります。
好きな友達、嫌いな友達は、何で分れるだろうか。勿論、各人の趣味、専門の方向によりましょう。根本は性格に因るとしても、そこに一貫した共通点は、男子ならば、何より先ず、婦人に対して決して卑劣な言動をしない事が、条件となります。
女性としては、貞潔な、己を高く持した朗かさを持たなければなりません。
人格を見抜く力もなく、頭もなく、ちやほやされるままに気位なくあちこちと浮れ廻る娘は、只一人の真友も持ち得ないと同時に、女性に対して無責任、或は破廉恥な挙動をした者は、忽ち
前へ
次へ
全37ページ中14ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング