》の紳士らしく装う男子に祭りあげられるのは、女性として如何に恥ずべきことか、と云うことも知っています。正当以上――過度に、尊敬、優遇されることは却って一種の屈辱であることを、真実な若者なら知っています。
 それは、工場に通う女工のような者の中の幾部分や、小僧の幾部分かは、互の遊戯的気分から、わざわざ人中で靴の紐を結ばせ、結ぶような衒《てら》いをしますでしょう。然し、完全な四肢を与えられた者が、自分で自分の足の始末も出来ないでどうしましょう。又、そこまで身を曲げることも出来ないように高く堅いコーセットを胸に巻きつける必要が何処にありましょう。若い、健康な胸は、そのままで美しいのです。恐らく、彼女等の言葉も、私の書くと同じものであると信じます。
 故に、少くとも、高等学校《ハイスクール》以上大学に学ぶ位の若い男女の間は、公平、公明であると云う理想によって結ばれていると云っても誤ってはいますまい。
 教室や学生の倶楽部や、宴会によって、種々な異性同士が紹介されます。喋ったり、遊戯をしたり、一緒に舞踏をしたりして、多数の中で先ず交際が始ります。種々な傾向や種類の人中で自ら他と比較すれば、彼、或
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