朝の話
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)朝《アシタ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九四六年九月〕
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一、今年は珍しく豊年の秋ということで、粉ばかりの食卓にも一すじの明るさがあります。
一、けさも又早い時間にお話をすることになりました。が、この時間の放送に何か理屈っぽい、云ってみれば教養めいたお話をするということがいつもそぐわなく感じられます。
一、どんな方でも、朝おきてさてこれから一日の活動にとりかかろうと、その気持で食卓にも向い身じたくもととのえるとき、其々御自分として何か一日の計画をもたない方があるでしょうか。
一日の計は朝《アシタ》にあり、と世界中で云いふるされています。
一、そうだとすれば、あらゆる方々が御自分の一日の計をもって充実した気分を保とうと希んでいらっしゃるとき、わきから思ってもいなかった話を注ぎこまれるというのは愉快なことでしょうか。むしろ、落ついて心持のよい音楽でもきいて活動の準備をしたいと御思いにならないでしょうか。
一、ところで、いま、みなさまのお心
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