家などを獲得する任務を示しているが、それは決して、小市民的自由主義へ向って、妥協によって多数者を獲得するのではない。この戦争と革命の時期を決定的勝利に向って闘うために、先ず労働階級の多数者ついで一般勤労階級の大多数が獲得されなければならないのである。
「モルプ」が、特に同伴者作家への働きかけを問題とし、ソヴェト同盟では「ラップ」が解消され目下綜合的で単一な作家団体のための組織委員会がもたれていることなどを引き合いに出し、プロレタリア文学における同伴者的分子の過重評価とプロレタリアートのヘゲモニーの曖昧化を導き入れることがあるとすれば、それは、最も恥ずべき小市民的日和見的見解としなければならない。例えば「ラップ」の解消は、革命以来過去数年間そのために闘われて来た文学におけるプロレタリアートのヘゲモニーが五ヵ年計画とともに確立され、同伴者作家が昔の「ブルジョア的過去と手を切って」急速にプロレタリア作家としての成長をとげたという事実が基礎となっている。その発展的段階に適合する組織として「ラップ」は狭くなったし、この指導部はブハーリン的な段階論を固守していたことによって批判されたのである。
 
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