(同志林)「急進的小ブル作家や進歩的自由主義作家」などが「労働者農民出の作家批評家たちとともに広はんに同盟に吸収されなければならぬ」(同志藤森)そして、同志藤森は同志林とともに、かりに自分たちが「一連の非プロレタリア的作家」であろうと「彼女がなぐりつける理由は毫もない」「彼女はかかる同盟拡大強化の反対者であり、反ファッショ的闘争を現実に弱めるものである」と断定している点にふれよう。同志神近も、「作家同盟の目的は何であるか? 作家同盟は前衛の団体であったか、同伴者の組織であったか?」と云っている。
 われわれは周密にこの問題を明らかにして行かなければならぬ。
 先ず中條は論文のどこかで「同志藤森、林、須井は同伴者的作家である」と銘を押しているであろうか? そのような文章は書かれていない。それだとすると三人の同志たちは何によって同伴者的作家であるということを念頭においてのそのなぐりつけがやられるかのように誤認したのであろう。
 これらの人々が、もし作品にあらわれた右翼的危険との闘争を一般同伴者的作家への突撃であるという風に勘違いをしたとすれば、それはまことに中條の論文における未熟さにおいて
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