一人、暗闇夜、自転車をとばして地区のデンタンを電車・乗合自動車のうしろに十数枚はりつけた。
○大衆闘争の中から大衆闘争の戦術を学べ。
○国鉄と麻布三連隊の兵士
赤坂一レンタイと市電労働者の共同懇談会が持たれた。
○青年印刷工 六十九銭ぐらい。
一人の仲間は、「活字中の漢字という漢字を知って居り」その人を先にたてて皆のあつまる会をつくり、会の金を出すためにその男はゴミ箱から緒の切れた板うらを出して来てはいた。会は雑誌とデッドボール[#「ボール」に「ママ」の注記]と、バリカンとカミソリを買い要求に応じて全工場にグループをつくり、大衆的に組織して行った。
十二月の忙しい最中。毎晩十一時、十二時まで。夜勤料は四割引、十時間で六時間分である。それで体をこわすような労働強化はやらぬことときめている。文選十六人は彼を入れすぐ立ち、六時の夕飯三十分の休みに、文選十六人はベン当箱をもって一つところに集り、きめた以上の仕事はしないこと、きめた以上は監督のところへ突かえしにゆき残業させぬようにしようと決議して就業。「ガンばれ」「うら切るとゲンコだぞ」「皆でカントクを睨みつけろ」等文句を綴って活字の一列
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