はカエシをしている皆の間に、順にまわされた。十一時に終業すると、文選場で一同勢ぞろいをして、カントクのところへ残りの仕事をひっつかんでデモで押しかけた。これでかって、十八人になり、二人の文選長も入った。(文選場は青少年のみ)
 次に夜業四割引反対の闘争のために、全員をまき込むことを考え、親睦会の自治化をはかる。幹事改選に壮年のSを当選させる。そして、大衆的懇談会で革新有志二十人をつくる。

[#ここから改行天付き、折り返して2字下げ]
国鉄。
(一) 一般に官業だから政府のつぶれぬうちは従業員の生活は保証されていると考えている。十五ヵ年間以上つとめると一時金なら二千円以上
  年金なら一時千円で以下毎年金が下りるので、おとなしい専一。
  娯楽設備一年二回観劇。改造さえよめぬ。労救に関係出来ぬ。
横浜ドック
  従業員二千人。ギマン政策として日給三円以上は二十銭、二円以上十銭、二円以下六銭のね上げをしたが、日給を時間制にしたので、仕事がないと一文にもならぬ。
[#ここで字下げ終わり]



底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年5月30日初版発行

前へ 次へ
全5ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング