った孫悟空のように、自身をあらわしている。いまそこにある一つのことでわたしを非難したかと思うと(作家らしすぎるということで)、翻って、わたしが非難されたそれとは正反対のものであるとして(わるい意味で云われている組合の指導者)逆から非難する。このわざは、言葉のあやをかいくぐって連続的に行われているが、たとえばその足許の雲となっている一つの誤記が、誤記とわかってしまったとき、孫悟空の雲は消散して、さて一場のてんまつはどうなるだろう。
文学のことは、それについて話したいことを話すひとのものだけではなくなって来ている。
[#地付き]〔一九五〇年一月〕
底本:「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社
1979(昭和54)年11月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房
1952(昭和27)年5月発行
初出:「近代文学」第五巻一号
1950(昭和25)年1月
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年4月23日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http:/
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