、国の内外のファシストとたたかい、平和のために心をくだいている婦人もいず、その団体もないのだろうか。そうでないことは、当時行かれなかった日本代表たちのメッセージを見てもわかる。講和についてのおとといの首相の演説は、何よりさきに、わたしたちに次のことを警戒させる。来るべき講和がどういう形をもってはじまるにせよ、その条件として日本が「次の戦争に利用することのできる八千五百万人」の生きている戦略的な地点として扱われることがあってはならない、と。近くもたれようとしているアジアの国際婦人民主連盟の大会でわたしたち日本の女性は、自分たちと世界の災厄をふせぐために、ベトナムの若い代表婦人が、ブダペストから世界の良心にアッピールしたように、アッピールする機会をもたなければならないと思う。
女は、新しい人間イヴとして生れつつあると思う。[#地付き]〔一九四九年十一月〕
底本:「宮本百合子全集 第十五巻」新日本出版社
1980(昭和55)年5月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
1952(昭和27)年1月発
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