泉山問題について
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

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(例)[#地から1字上げ]〔一九四八年十二月〕
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 第一私どもの目からみると議会内の大蔵委員会という重要な新給与予算の委員会席上で、あんなに酔うほど酒がでるということがそもそもひどいことだと思います。なにもうちでのめない連中ではなし、ごあいきょうの程度をこえています。公務員法をむりやりとおしてはじめからきらわれている吉田内閣は新しい選挙をひかえて、いくらかでも人気をとりかえすために食糧問題や転入自由の景品をだしました。「住宅問題の解決や賃金問題の解決はぬきにして」きたるべき選挙に今日の政府は勝算をもっているかもしれない、それだから組閣のはじめに用心深くさまざまの疑獄事件にひっかかりそうな閣僚をさけました。社会党のくされぐあいがあんまりひどかったおかげで吉田内閣にそれよりはましな人のあつまりのような利益をあたえました。
 選挙をまえにして民自党はどんなにいい評判をとりたいでしょう、ところがおきの毒さまにも十三日の新聞にあらわれた泉山蔵相の事件のようなこと
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