ァシスト的処世術にまけました。
 この深刻な文化上の婦人の能力の利用されかたと、薄弱な婦人の経済的独立の基礎を考えるとき婦人の作家たちが日本のすべての勤労する婦人の利害と、全く一つの事情におかれていることがわかります。婦人作家が日本人民としての自分が紡績工場に働いている娘たちの境遇にどんなにちかいものであるかということを知ったときにこそ、婦人作家はファシズムとはなんであるか、侵略戦争とはなんであるか、一つの国の人民の幸福を他の一国の利益のためにふみにじるとき、その血はすべてふみにじったものの上にかかるということを理解するでしょう。[#地付き]〔一九四八年六月〕



底本:「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年11月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房
   1952(昭和27)年5月発行
初出:「アカハタ」
   1948(昭和23)年6月24日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年4月23日作成
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