ら云って良い事ってすワ、早すぎます、今っから」
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 千世子はおせんべを掌の中でこまっかくかきながら云った。
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「オヤ、何故私は大きいまんまかじろうとしないんだろう、気取るつもりでこんな事をしたんだろうか……」
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 クスリと歯ぐきの間で笑って向うに岡持を下げて居る男と懸命にしゃべって居る娘の黒い横がおを望[#「望」に「(ママ)」の注記]めた。二人の話して居る事もととのわない下手な馬鹿げた事の様になって千世子の頭の中に想像された。
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「姐さん」
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 Hがわるさをする様なかおっつきをして呼んだ。
 話に身を入れて居る娘はきこえないと見えてふり向こうともしない。
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「一寸来てちょうだい」
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 千世子が持ち前のかんだかい声で云うと娘はあわてて下駄を横ばきにしてかけて来た。
 Hはからになったきゅうすを出しながら、
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「大分もててたネ」
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と云って人の悪い笑い方をした。娘はパッと顔を赤くして、
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