ないよ!」
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号令をかける様に母親は注意した。
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「Hさんも、そんなになさらずといいでしょう、少し御仲間入りなさいよ!」
「そうですワ、皆がかおを見合わせて居るのに一人背中を向けた人が居るって云うのは、白粉のむらについたのよりいやなもんですわ」
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千世子は合槌をうった。
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「大変きどった云い様をしましたネエ、そいじゃあそっちを向きましょう」
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Hはつま先で椅子を廻してこっちを向いて、源さんの顔とHさんのかおが並んだ。
だまってHのかるく動く口元を見て居た瞳を源さんの五分がり頭にうつそうとした時源さんがさっきっから自分を見つめて居たのを知った。すきをねらわれた様な馬鹿にされた様な気になって奥歯のすみに息をためた。そして見すかした凝視を源さんの瞳の中になげつけた。
源さんはすぐ横を向いた。勝ちほこった心になりながら大切なものを守る様にソーッとHの白い額を見て居た。
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「いつもになくだんまり虫だネエ」
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ひやかす様に云う
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