気分やらが千世子を満足させることは出来なかった。
 見れば見るほどあらが出てもう見向くのもいやになってしまってからは毎日毎日わだかまりのある様な、笑いながらもフッと思い込む様な様子をして居た。
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「貴方がいらっしゃるんで思う様にかけないんですよ」
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とか、
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「私もうほんとうに涙がこぼれそうですわ、貴方が居らっしゃるから出来ないなんていくじなしじゃないはずなんだけれ共……」
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なんかと沢山な書きくずしの中に頬杖をついていらいらしたとんがり声で云ったりした。
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「今日は夜になるまで御会いしますまいねえ、そいで一生懸命書くんです」
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 うすら寒い茶室にとじこもって経机の上で書いて居たりするのもその頃だった。
 我ままな千世子は折にふれて年上の人にするらしくない様子もしない事はなかったけれ共Hは自分の心のどこかがそれでも満足し又、それにみせられて居るのを頭ばっかりそだった様な千世子に対しての興味と云う感情のかげにごくさわやかに育って行く感情があるのをHも知
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