)」は縦中横]

 寝間着を着て床に入りは入っても枕の羽根がかたまってごつごつして居たり、毛布がずったりして千世子は落ついた気持になる事が出来なかった。寝なくっちゃあならないと思って眼を閉じるとうすいまぶたをすかして五色の光りものが目先をとんで廻った。耳なりがするそうぞうしい音の中にヘッダの科白が浦路の声でひびいて来ると思えば鴈次郎の紙治のまつわる様なこえがひびいて来る。今日までよんだ本の中で良いと思って居たところがキレギレにうかんで来る。
 千世子の頭中にたまって居る不平やら疑問やらがぬけ出して来てゾロリっとならんで一つ一つが、
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「ヘッヘッいかさま……」
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と云ってひっこんで行ったり、もうどうしていいかわからなくなって来た。ムックリと床の中に起き上って手をのばしてテーブルの上に置いてあるひやっこいお茶をのんだ。
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「まるで年寄のする事を私はして居る」
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 千世子は自分で自分を笑うように云ってうす暗い電気の光線で豊からしくふくらんで居る胸やしまったうでを見て笑い声を思わず立てた。うす紫の光線の
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