り迷う様な事もいやな思いをしなくっちゃあならない事もなくなっちまったんです……」
「どうして? 貴方に迷う様な事があったんですか?」
「ええ、あったんです、私が斯う云えば貴方には御わかりんなるんですワ。
ネ、私はこの頃そう思ってるんです。
私はあたり前の女の様に――又、娘の様に夢中で恋なんかする事は出来ないんです。
けーども人間同志の恋よりももっと高いところにもっと輝いて私の来るのを手をひろげてまってるものがあるのを見つけたんですワ、私は、――
その方がもっと生甲斐のある私につり合った生涯を送る事が出来ると云いはる事も出来れば、もっと私の心を満ち満ちた輝きのあるものにして呉れると云えます――恋をする事はどんな女でもしますワ、けれどもどの女でもが高いところにその人の来るのを待って居るものはもってませんワネ、私はそれを信じて又自分を信じて居ます」
[#ここで字下げ終わり]
千世子は少し下を見ながら手を組んで神を見る事の出来たクリスチャンの様なしずかなおだやかな目つきをして云った。
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「――そいで私はどうしたんでしょう、――私は何を見つけたんでしょう――」
「
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