せんよっ』てネエ、千世子さん……」
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 千世子は顔を赤くもしず身うごきもしないであけっぱなしの様に笑いながらきいて居た。Hは話しながら時々声をほそめたり顔を赤くしたりして居るのが千世子には可愛そうな様に思えた。
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「マア、そんな事を云ったんですか、早手廻しな事だ」
「そんな事云ったって一生ミスでも居られますまい」
「サア、居るとも居ないとも云えませんワ、死ぬほど行きたい人があったら行きましょうし……」
「そう? キット?」
「エエきっとそう」
「そいじゃあもし死ぬほどもらいたいと云う人があったら?」
「おやめなさいよ、そんな、昔から幾人の人がつかった言葉だかわかりゃあしないし、又そんな事を云ってると田舎者の厚化粧みたいだから……」
「オヤ貴方そう思ってる?」
「エエ、私そう思ってますわ。
 この頃の人間は自分の恋してる女が、
『命にかけて……』
と云った時に、
『お前は幾度そんな事を云った?』
とつきはなす様になりましたもの……」
「…………」
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 Hはだまって大きなマドンナの額を見て居た。千世子も知らばっくれた様に
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