げ終わり]
 前髪を高々と出したK子の小さい額を見てそう云う事も一度や二度ではなかった。そうした事のつづく毎に二人の心は段々と遠い所に向って進んで行った。
 K子は御嫁の仕度に今までそんなに身を入れて居なかった家庭向の事に懸命になって今まで加なりに知って居た事考えて居た事はすっかり忘れた様になって、知って居る事と云えば先に覚えて来た事をそのままに守って文学と云うものにはうとくなって来るばっかりでそれに対する慾も一頃よりはよっぽど下火なあるかないか位にほか過ぎなかった。
 千世子はその人達を悲しい目で見ながら自分の進むべき事を張のある心で進めて行った。
「女の友達なんて――まして私達の年頃の友達なんて下らないもんですネエ、仲がよくなるとなるとすぐなるしはなれるとなるとすぐはなれて一寸だって未練なんてものはもたないんですものネエ。そして御嫁に行く事ばっかり考えて馬鹿になるのを知らないで居るんですもの。
 もう一二年したら私は一人ぼっちになって仕舞うかもしれない」
 こんな事を小学校時代からの自分の親友の話をして自分の事の様に嬉しがって居るHにする事もあった。物にはまってみやすい千世子はこの
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