達は定刻と云って居た。千世子が小田原から帰ってから五ヵ月の時はかなり早く大した変った事も生まないで立って行った。
その間にHと千世子の一家は一緒に江の島に遊びに行ったり、たまには芝居を見に行ったり音楽をききに行ったりした。そのたんびにHと千世子と又その囲りの人達はうちとけて行った。いろいろなこみ入った経済の事までHは母親に相談するほどになった。
Hがたびたび来る毎に二人っきりで居る事も多くなった。けれ共千世子はそんな事を別によろこびもしなければ又いやにも思わなかった。ただあたり前の事と思って居た。
菊の花が盛りになったホカホカな日に母親は千世子にそれとなしこんな事を云った。
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「女って云うものはネエ、ほんとうに下らない事にまで気をつかわなくっちゃあならないんだから……、それに又御前位の年頃の人は余計にいろいろ人から云われなくっちゃあならないんだからほんとうに何から何までつつしまなくっちゃあいけないよ、口さがない女中や何かからあれこれと云われたりなんか必[#「必」に「(ママ)」の注記]してしない様にネエ。
だからHさんが来た時でも何でもあんまりしゃべったりふ
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