を打って居る海の面に千世子は、Roll on, thou deep and dark blue Ocean―roll! と尊い詩の一節をなげてはてしもしれない様な冥想にふけって居た。
 綺麗な夢の様な気持がさわがしい管絃の音に破られて現実にかえった時、そのごく早い気持の別れ目の時に千世子はHの事が青い光りものになって目の前をよぎって行ったのを知った。
 さわがしい音の中に自分のしずかな心だけをソーッとかこって置く様にして働く事も嬉しがる事も一人でして居なければならないHを一人の人間として考えて居た。いろいろと思って居るうちにいつだか、
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「私は形式は沢山の人達の中にかこまれて生活して居るけれ共それは皆私からはなれると生きて居られない人間達が死にもの狂いでかじりついて居るのにすぎないですもの――精神的に私は嬉しい時でもかなしい時でも All alone で居なくっちゃあならない……」
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と云った時に、
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「不愉快な気の合わない二つの精神がいやでも応でもに集って居るよりは、わだかまりなく思いたい事を思える一人の方がいいじゃ
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