は一寸も話せませんでしたネエ、少しかおが青うござんすよ、何か清心丹か何かもつかのむかしていらっしゃい、ネ、一寸、お嬢さんに何かかるいものをもって来てあげて――」
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わきに立って居た女中に云いつけて、
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「額を出して御らんなさい?」
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といかにも案じて居る様に云った。千世子は男の様に広い額を出しながら、
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「何ともありませんわ、熱なんかありませんわ」せかせかする様に云った。
女中のもって来た銀丸をはの間につぶしながら、
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「あの御気の毒だけどまってるから御弁当をサンドウィッチにしてネ、少し気分がわるいから御はんをたべたくないから……」
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女中は少し迷惑そうなかおをしながら茶碗をもって台所の方に走って行ってしまった。
千世子は柱によっかかってHを見ながら、
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「ネエHさん、今日みたいな日にあんまりあなた私の事に気をつけて下さるもんじゃありませんのよ。わけはなくっても思い出されるもんですし、それに――いかにももう御別れだと云う
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