[#「必」に「(ママ)」の注記]して恋をしたりするもんじゃあない、そんな恋のあとにはきっとにがい見むくのもいやなほど見っともないしがいをおきざりにしてあかんベエをしてにげて行ってしまうにきまってる」
「私はどんな事があってもHを恋はしない、若しそうなったら二人は不幸になるにきまってる――私の心の眼もにぶり目っくされの様になってしまうだろうから……」
「あの人と私とはお互にたすけ合って幸福な様にして行けばそれが一番好い道なんだ。私は夢中な恋は出来ない――さりとても一つの様な恋も私のまだこんな貧乏な頭では及ばない事だからキット神様だってこの様に思ってらっしゃるんだろう……」
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 千世子はさえにさえにさえぬいた頭で斯んなに考えた、考え終るとかるく頭をふってまぶたをすこしすかしたまんままっしろなクッションの中に頭をうずめて聖徒の様なおだやかな清い眠に入ってしまった。
 翌朝目をさました時千世子は何とも云われないかるい歌をきいた様な気がして居た。
 学校に出がけにHはわざわざ寝間から出て来て、
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「もう行くんですか? 早いんですネエ、寝坊したんで今朝
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