て歴史の創り手であるという光栄を捨てるべきだろう。
選挙が迫って来ている。若い人々の一票はその人々が真実どんな生活を欲しているかということを物語るものだと思う。何故なら今や日本の社会は、少くとも私達の要求をまっすぐに反映しなければならないというところまでは民主化の方向をとって来ているのであるから。自分が何を欲しているか、それをはっきり知ることこそ大切であると思う。老獪な支配者達が私達の心に残っている旧い考え方を足場としてまた再び彼等の横暴を返り咲かせないように、私達は生きることこそ欲しておれ、彼等のために侮辱的な毎日をひきずって行くことは御免であるという事実を知らせなければならないと思う。[#地付き]〔一九四六年五月〕
底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
1980(昭和55)年6月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
1952(昭和27)年1月発行
初出:「青年文化」
1946(昭和21)年5月号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月14日作成
青空文庫作成ファイ
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