修身
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)要《かなめ》石

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)ふっとそんな気になって[#「ふっとそんな気になって」に傍点]、
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 一九五〇年度は、青少年の犯罪が一般の重大な関心をひいた。
 青少年の犯罪は、ふっとそんな気になって[#「ふっとそんな気になって」に傍点]、つい[#「つい」に傍点]やられてしまう。それが習癖にもなる。そのついやること[#「ついやること」に傍点]は、きょうの社会のわれ目が巨大であり非条理であるに応じて、大きい規模をもち、非人間性を示す。「希代の少年空巣。年にチョロリ三百万円」(十二月十三日、東京新聞)、「アゴで大人使う少年強盗」(十二月十六日、東京新聞)そして、日大ギャング事件の山際・左文の公判記事は、大きく写真入りで扱われている。

 信濃教育会教育研究所が、小学生の行動について父兄が問題だと考える点を調査したら、「無作法」各学年を通じて七〇%、「根気がない」三年七六%、六年七三%、「理窟をこねるが実行力がない」各学年四二%そのほかだった。青少年の育ってゆく
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