って、新人推薦、発見の方法は幾多の賞を手引きとして講じられた。抑々《そもそも》日本の現代文学の世界で、こんなに幾種類もの賞の流行が、文化統制の気運とともに組織された文芸懇話会賞から始ったというのは、歴史の興味ある容相ではなかろうか。文学の衰弱の声とともに益々賞が殖えて行ったこともただ見ては過ぎ難い。芥川賞第一回以来、幾人かの作家たちが現われたが、その第一回から新人たちが文学の世代として新人とは云い難い文学の閲歴を重ねて来ている人々であることが、特に関心をひいたことも記憶に新しいことがらである。
文学批評の、批評らしい客観的な存在の薄れたことにも、文学の健やかな進展を要望する傾向からの注意が向けられた。評論の不振に活の入れられなければならない必要も痛感されつつ、今年が迎えられた。窪川鶴次郎の『現代文学論』は昨年の冬出版され、数年来の文学の動向を、個々の現象に即しながらそれを原理に近づいて論考した所産として、少なからぬ興味を有するものであった。
多岐多難な現代の日本文学が、今日と明日とに向って自身の最大の課題としなければならないのは何であろうか。ひとくちに要約すれば、それは文学に於ける
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