ィスカッションし批判しつつ、おのずから能動的な社会活動の機能力をつよめあってゆく場面となって来ている。
みんなの前に立って、自分の意見を発表することをあたりまえのこととする習慣の少女たちが、きょうの日本にふえてきているという事実。歴史はこういうところからこそ変ってゆくのだ。同時により大人の女に近づいた十八歳ぐらいの若い婦人たちが、実際問題としての結婚や職業の問題につれ、まだつよくつよくのこっている旧い日本の家の観念、世間というもの、常識のしきたりについて身と心で抗議を示している姿も、わたしたち日本の足どりにある旧いものと新しいものの複雑な摩擦について考えさせる。
ここに発言しているいきいきとした小さい婦人たちは、彼女たちが十五歳から十八、九歳の女性の肉体と精神とで感じているあらゆる問題こそ、つまりはその人々の一生で解答されてゆかなければならない課題だということについて、どのように自覚しているだろうか。
人類の社会生産とその文化の歴史にとって鉄の時代は、太古の一頁である。けれども、一人一人の成長と発展の過程には、丹念に青春の青銅時代《ブロンズ・エイジ》がもたらされている。そしてその
前へ
次へ
全8ページ中4ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング