撞着的事象の本体を洞察して、その間から何か積極的な合理的な人間生活建設の可能をとらえてゆく動的な生活的叡智、行動にほかならないのであろうと思う。そして、ある場合には、婦人の真の政治的な成熟のために、いたずらに画一的な、便宜主義の、判断のない、投票の数をかき集め式な目的をもつ婦人の政治的参加に対しては、婦人自ら追随を拒む必要も生じるであろう。婦人はあくまで自分たちの日常の生活をみきわめて、そこからの智慧と判断で鋭く判断して、成長して行かなければならないのだと思う。[#地付き]〔一九四一年一月〕



底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年7月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
   1952(昭和27)年8月発行
初出:「教育」
   1941(昭和16)年1月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
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