恋愛に就ての、結婚に就いての態度がはっきりすれば、始めて男と女の友情というものも客観的にもなりたって来る訳ですからね。
結婚前の細君の男友だちが結婚した後もその家庭の友人となって、ちっとも不潔でないという生活の展《ひろが》りもできて来るでしょう。一種のルーズな物判りよさみたいなもので女の甘やかされた形で、夫の人が某々《なになに》君も君を尊敬しているんだよと云う調子で、だらだら続けられているような「男友達」との家庭的交渉は逆に男の人が自分の「遊泳」の余地を残しておく賢い方法で大したことはありませんね。いずれにしろ、真面目に今日恋愛と結婚を考える人は、その気持を相手の人にだけ寄せかけないで、自分の気持を自分でもって行くばかりでなく、相手の人の気持も自分があるところまでは、引き負い、引き立てて自分たちの幸福を日々の現実の中で捉えて行く心持がなければやって行けないと思います。
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おしゃれについて、どう考えますか。パーマネントの問題でやかましいですが、美しくしていた方が、気持がいいと思いますけれど。
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私だって自分なりのおしゃれは矢張り好きです
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