対して女子一〇七パーセント増。二年経たないうちに若い婦人は二倍以上に増加して来ている。
鉱山に働く婦人の数が、男子一五パーセント増に対して女子は一七パーセント増して約二百万人もおり、しかも坑内作業が多くて二十歳未満の女の子がふえているという事を、人は無関心に聞くであろうか。
全国工場災害率をみると、例年の最高は機械器具であって、十一年八月を一〇〇とすると、十四年一四五と災害が飛躍していて、このことは、尨大な数の不熟練工とその中に加わった娘たちの災難とを語っているのだと思う。しかも、怪我したりする年齢がこれまでは二十一歳以上の屈強な働き盛りのものが自然第一位であったのに、昭和十三年には十六歳から二十歳までのものが二三・六パーセントとなって災難の第一位を占めていることも注目されるのである。
事務員や女教員その他のところに働いている婦人たちのほかに、工場で働く婦人労働者が去年末にすでに二百二十三万八千人あって、事変直前にくらべれば三十六万人の急増を示しており、今年一杯では更に数万の若い婦人が勤労に従うこととなった。それでもなお足りない労働の補充として、今年は職業紹介所が中心で、家庭の妻
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