物のアイロンかけをやることになっている。
つまらない繕いものは年上の女の子が当番でやる。私たちが裁縫室へ入った時は、五六人の女の子が、シャツのボタンをしらべ、落ちたのをつけていました。
さあ、また、玄関わきの客間へ戻って来た。ここには、壁新聞やピアノや、この前ハンガリーの共産青年同盟員が訪ねて来たときみんなでとったという写真や、シュロの植木鉢などが飾ってある。
あっちこっちの隅で、本をよんだり、学校の宿題をやったりしている一隅で、わたしたちは長い間、ピオニェールたちと話しました。
みんなずいぶん日本にもピオニェールがあるかどうかということを知りたがってきいた。
学校はどんなか?
「子供の家」がやっぱりあるか?
この「五月一日の子供の家」をどう思うか。
小さい子供は「日本にも飛行機がある?」ときいて、大きい子に笑われたりした。またもっともっと、政治的な大人らしい質問をしたものも沢山あります。
日本にも「子供の家」がある? ときかれて、実に私は感慨無量だった。
ブルジョアの子は、学校の行きかえりにさえ自動車にのり、好きな犬までそばへつけてヌクヌクと育っているのに、プロレタ
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