がつながって二階へのぼり、
「ここが女の子の寝室です」
ドアをあけられた室はカラリと広くて、日がさしている。窓のすぐそばに白樺の梢が見える。キチンと毛布でつつんだ寝台が四側に五つずつ並んでいる。
もう一つそれより小さい女の子の寝台があって、その先が大広間です。ブルジョアが住んでいた時分はここでダンスでもやったのでしょう。今はレーニンの肖像が飾ってある。寄木の床です。
「集会はいつもここでやるんです」
通りぬけた先が男の子たちの寝室です。こっちも仲々キチンと片づいています。が、面倒くさそうに突っこまれた枕が毛布の下から半分はみ出ている寝台もある。子供たちはそれを見ていろんな冗談を云い、笑う。
ソヴェト同盟では、ほんとの男女共学です。学校の教室で机をならべて男の子と女の子とが一緒に勉強するばかりではない。寄宿舎だって部屋が違うだけで、一つ建物です。大学だって、そうです。だから、どんな男の子、女の子かということはよくお互にわかる。学校でだけスマしていたって、だらしない子なら、お互によくその欠点もわかる。男の子も女の子も一緒だから淋しくないし、お互によくなろうとするし、さすがソヴェト同
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