んな委員で「子供の家」の中の日常の仕事がはこばれているのです。
 さて、ゾロゾロと陽気な子供たちにまじって、食堂へ行きました。
 長い木のテーブルに、何人もかけられるような床几がおいてある。みんなは学級順に年下の者を前にして腰をかける。大きい角テーブルがあって、そこにアルミニュームの鉢、サジなどがキレイにうんと積み重ねてある。
 私たちは、一番年下の級の子供たちの間に挾って坐っている。子供たちがこっちをみる。私たちも子供たちをみる。そして互に笑い出す。――何のこだわりもない、実にいい心持です。
 やがて食事当番の子供が二人がかりで大きいお鍋を運んで来て、角テーブルの上へおきました。ポーポー湯気がたって、美味そうな匂いがする。スープです。
 別の当番の子供たちが、それを順ぐりにアルミの鉢に入れてくばる。
 そこへ、
「子供たち!」
と、さっきの白髪の女先生が入って来ました。
「一寸しずかにして下さい。そして、私のいうことをきいて下さい」
 大賑やかなガヤガヤがぴったりしずまった。
「誰か、きょう、地下室のガラス窓にボールをぶつけてこわした人があります」
 さては、お小言か。こわした者は出
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