す」
 ドッと子供たちは笑う。お祖母さん先生も笑いながら、
「おや、これから私どものところでは御飯ですから一緒にたべて下さい。それから……」
 ぐるりと、かたまっているみんなを見廻して、
「今日は誰が文化委員です?」
と子供たちに訊きました。
「僕です」
「私も……」
「エレーナもそうです」
「では三人で、このお客さんがたによくいろいろ説明しておあげなさい。またあとで御質問がありましたら私がお答えしますから……じゃ、ごゆっくり、どうぞ」
 ずいぶん日本のそういうところと様子が違うでしょう?
 ソヴェト同盟では小学校からズッと生徒に自分たちの力で級の仕事をやってゆくように育てられています。
 級長なんかというスマした優等生が、先生の小さい出店みたいなことをするのではない。級全体が選挙して、文化委員、衛生委員、学務委員というものを何人かずつきめる。
 その委員たちが、みんなといろいろ相談し、学校の湯呑場、手洗場が清潔かどうかということから、先学期は、どの課目が級全体としておくれたから、今学期はそれをどうとりかえしてゆくかということまで、先生と相談してやって行く。
「子供の家」ももちろんいろ
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