トラスナーヤ僧院の城砦風な正面外壁へ、シルク・ハットをかぶった怪物的キャピタリストに五色の手綱で操縦される法王《ポープ》と天使と僧侶との諷刺人形をつり上げ、ステッキをついた外国の散歩者の目をみはらせればよい。――ところで、
一寸、――この小地図を見る気はないか。
[#子供が描いた地図入る:星形の都市を川が横断し、鉄道が縦断、中央に運動グラウンドとレーニン記念像、西側と北側に住宅・労働者クラブ、東側に天文学校・小学校(四年制、七年制、九年制)・職業学校・託児所・子供の遊び場・ピオニェールのクラブ、都市の周囲にはソヴェト農場「ピオニェール」、川沿いに都市に近い側から皮革工場・織物工場・染工場・紡績工場・発電所・ピオニェール野営所がある。ピオニェール=開拓者(パイオニア)、旧ソ連の少年団]
勿論モスクワでもミンスクでもない。雑誌『ピオニェール』が子供たちから「私達はどう暮そう」という題で募集した社会主義的都市計画の一つである。
社会主義的都市建設はСССРに於て計画から実現の時代に移っている。ウラル・ドンバッスその他、新興生産中心地ではすでにいくつかの新都市が生れた。そこにモスクワより
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