か?
――第一参考書類、技術的なもの、次は文学です。
――現代の作家では誰が愛されます?
――さあ……。勿論グラトコフや、リベディンスキー、セラフィモヴィッチなんか読まれているが――
女党員は、考えた後、
――近頃は古典を非常によみます。
と云った。
――トルストイ、ゴーゴリ、なんかですか?
――プーシュキンなどもです、レルモントフも出る。
――国内戦を主題としたものは、一般に子供にどう受けいれられていますかしらん。
――特に、若いものによませるために書かれた国内戦、革命に関する文学は、一つ、共通な大きな誤謬を犯していたことを我々は感じています。それは、革命の事業を全然機械的に見ている点です。「赤」はやたらに強くて、正義のかたまりで、賢く、成功の外何も知らず、「白」はいつも卑怯で、馬鹿で、革命は玩具みたいに雑作なく完成するものみたいに扱われている。大した間違いです。革命の現実をまるでゆがめている。もっと有機的に、苦痛、困難、失敗の繰返しのうちから根気よく勝ちとった革命が描かれなければならないんです。第一、そんな赤白物語、つまりませんよ、読んだって!
彼女は快活に笑っ
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