アリョーシャの『三人の肥大漢』は何色を貰いました? 今芸術座が上演しているし、本も随分贅沢な出版だったが――
若いパプツチキ(同伴者)の作家で、彼の小説の「|感情の結社《ザーゴヴォルチューフストヴォ》」がワフタンゴフ劇場に上演され、小説も劇も評判された。
――ああ、見ましたか? あなたも。
監督は笑った。
――何色だったか……あれは大人のおとぎばなしですよ、菓子の中から革命が擡頭したりするファンタジーは、少し困りますよ。
いま赤色をはられているのは、絵本だった。東洋、西洋、地球上のいろんな民族のプロレタリアートが独特の服装、風景、方法で、その民族独特の生産に従っているところを、明快な彩色画で説明したものである。綿花を栽培し、織物工場で働く耳輪だけ大きい痩せたインド人の後に、ヘルメット帽をかぶり、鼻眼鏡を光らしたイギリス人がいた。
ソヴェトの子供は、幼稚園で、或は小学校で、自然界と人間社会との関係を、日常のあらゆるいきた労作の中から直接学びとる。今、もう雪の底に春が匂いかけている。春大人は何をするか? 子供たちは大人をどう助けるか?(一年生の教課プログラム)
田舎では種蒔だ
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