三つのばあい・未亡人はどう生きたらいいか
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)人間としてのよさ[#「よさ」に傍点]が
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一
このお手紙をよんで、わたしもほんとに「待つ」というのはどういうことなのだろうと、お手紙に書かれているとおりの疑問を感じました。
Hさんのお母さんの立場も、日本の女らしい哀れなものですが、そのかたの身内というものはないのでしょうか。そういう縁故があれば、A子さんが働いて義理のお姑さんの余生をすごさしてあげなくてもよいということにもなるのでしょうが――。
A子さんが働いてその方の世話を見なければ、とかかれていますが、この働くということばは、どういう内容で云われているのかわからないので、第三者としての判断が迷わされます。もしA子さんが自分の力で経済上の負担も果してそのおとしよりを見てあげようというのならば、その条件にたって、新しい結婚は全くA子さんとY氏との間の理解で解決することだと思われます。Y氏に、前の御良人の母の生活まで保証させることはできないにしろ
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