若人の要求
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)反古《ほご》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九四六年九月〕
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此の間から、いろいろの職場で働いている若い人達の気持にふれる機会を持ちました。
一番痛切に感じた事は、今日働く婦人達がどんなに勉強したがっているかということでした。東京では麹町神田辺のいろいろの職場に働いている婦人達が集って学校を開きました。全体で七百人も申込があって、毎土曜日職場がひけた後で一時から夕方まで集って、歴史、生活科学、文化の話をききました。一ヵ月が終った時、これ等の人々は、これだけ勉強してみると、ますます知りたいことが多くなったのです。秋からでも今度は、経済、法律の話もきいて勉強したいという希望が出て来ました。この学校は働いている若い女性達が、全く自分で計画して、運営して、経済的にも充分次期計画を実行できるだけの余力を持って第一回を終りました。
各大学で自由大学や、市民大学を開いていて、新しい日本の文化を民主的な形で、市民の生活の中にもたらそうとしています。こういう
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