若い人たちの意志
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)青銅時代《ブロンズ・エイジ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)年ごろ[#「年ごろ」に傍点]の若い方とよぶとき、
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ゆたかに、より能力のある人生を、というこころもちから、このごろの十代の人たちはどう生きているか、そして、どう生きようと欲しているか、という問題について注目されはじめている。
これは日本にとって、どういう角度からも決して無意義なことではない。若い女性というとき、これまでその若さは何となし結婚適齢期のぐるりで考えられていた。昔の人達が年ごろ[#「年ごろ」に傍点]の若い方とよぶとき、それは女学校卒業ごろから結婚までぐらいの間の女性たちをさした。女性には年ごろ[#「年ごろ」に傍点]という一つのよびかたがあっても、男の年ごろ[#「年ごろ」に傍点]という考え方は昔からなかった。このことは、日本の社会の習慣のなかで、女性の一生とその運命とが、妻となる、という形に決定したものとして扱われて来た証拠であった。
十代の人たちが、社会の歴史にとって、注目すべき年
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