ているインフレーションは、表面上の労働賃銀をぐんぐん上げて、その頃までは物価の昂騰と労働賃銀の増大とはほぼ釣り合いを保って上向きに来たのであった。けれども、この頃を境として生活費の膨脹は熱病患者の体温計のように止めようとしても止まらない力で上昇した。しかし、労働賃銀というものはあらゆる場合に、物価高に追付くことは不可能であるから、二つの間の開きは破局的に大きくなって来た。このようにして総ての基本的な面で人民の生活が破綻し始めるにつれて、政府はそれに対する真実の対策を立て得ないから、ひたすら威かしつけることで戦争を遂行し表面の統一を保とうとして来た。一つの政権が、社会に対して現実の政策を失って、警察、憲兵の力で人民を沈黙させているという状態に立到った時は、もうそれは、支配的権力として存在する価値を失っている証拠である。例えば母親が落ちついて道理に従って子供を訓戒することができる間は、子供は母親の言うことも聴くし、親であるという尊敬も持つことが出来る。けれども子供に道理がある場合、母親がそれを静かに聴くことも出来なくなっていて、いきなり気に入らないことを一言言えばもう殴るという状態になった
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